2005年11月19日
粟島遠征記③ -夏だ!キャンプだ!粟島だ!-
1998年7月18日~20日
今回の釣行は会社の釣り同好会の年間行事の一つ。昨年から7月の海の日は粟島でキャンプをする事になっていた。メンバーは今年釣り歴2年目のじゅん君、今年から入会したしゅんじ君、そしてやはり今年から入会した新人のしげき君、私以外、全員ビギナー!果たして釣りに成るのやら・・・
2日前にミーティングを開き、行動日程や持ち物を説明する。私自身は今回はキャンプがメイン?とあって、1週間前から道具等は準備を進めていた。昨年来たとき、海水浴客がバーベキューで美味しそうにお肉やサザエを焼いて食べていたのを思いだし、携帯用のバーベキューセット(890円!)も購入していた。「夜はバーベキューでサザエ焼くから、誰か泳ぐ準備してきて!」
と思い切り新人の二人を指名。戸惑う二人に、ニコニコしながら私は「水中メガネは持っているから・・・」と会長権限を発揮したりして。
その後、釣り道具屋に行って、メンバーの仕掛けやクーラー等の備品購入のアドバイスを行い、前日に餌等を購入して後は行くだけとなった。 7月18日、朝8時、最南端の私の自宅集合・・・のはずだった。粟島行きフェリーが発着する新潟の岩船港までは、車で約1時間半。出航は、10時半だったので、余裕をみて8時の集合にした。が、8時10分過ぎても20分過ぎても誰も来ない、携帯電話もつながらない「何やってんだろう・・・」不安とイライラがつのる。30分近くになって、ようやくじゅん君としげき君が乗った車が来た。その3分後にしゅんじ君。私は既に爆発していた。「すいません!遅れました!」「何やってんなや!行く気あんのか!」私の一喝にしゅんじ君、焦りすぎて家の近くのブロック塀に車をぶつける始末。どうやら餌の購入やコンビニに寄って遅れたらしい。「まあまあ、釣りは楽しく・・・」妻の一言に気を取り直し、私の車にしゅんじ君を乗せ、一路岩船港へ向かった。出だしから、やはり前途多難なメンバーであった。
辛うじて時間には間に合い、ホッと一息。フェリー先端部に陣取っての乗船。初めて乗る二人は爽快な天気と心地よい風に、はしゃいでいた。
「あっ!あれ何ですか?」「飛び魚だよ。」「あんなに飛ぶんですか!」しげき君が感激している。
これだけでも、連れてきた甲斐があるというもの。
昼12時ジャスト、粟島到着。カップラーメンの昼食後、我々は目的地の旗崎へ向かった。真夏日が降りそそぐ。結構暑い。「美しい汗をかこう~、生きているって素晴らしい~」ギャッツビーのCMソングをみんなで口ずさみながら、約15分の道のりを歩く。旗崎には既に海水浴客が大勢いたが、昨年もテントを張った場所は空いていた。直ぐさまベースキャンプを張る。
「しげき君、海パン持ってきた?」「持ってきました!」「じゃあ、これ・・・」水中メガネと網を渡す。
早速、サザエ取りの指示。「しゅんじ君は?」「一応持ってきましたけど・・・遠慮しときます。」「何で?」「疲れますから・・・」どうやら、釣りに全体力をそそぐらしい。仕方ないので、しげき君に期待したが、5,6個しか取れない。「気持ちいい~、最高ッス!」あまりにも気持ちよさそうに泳いでいる、しげき君を見ていると、海育ちの私の血が騒ぎだした。「しょうがない!俺も泳ぐか!海パン貸して!」夏場も釣りばかりしていた私としても2年ぶりの海水浴である。幼少の頃から潜りが得意だった私は、サザエを探す。しかし、既に取られた後なのか、あまりなく、私自身も6個程度取って、ギブアップしたが、バーベキューで焼く分くらいは何とか確保出来た。
午後4時近くになって、ようやく釣りの準備を始める。しげき君には私の道具一式を貸してやり私のそばに置くことにした。何せ、しげき君、本格的な磯釣りは初めて。何をするにも感激している。他のメンバーは一応、一通り教えてあるので、今回はほっとく事にした。 今年2年目のじゅん君、他のメンバーよりはさすがに慣れているのか、撒き餌の撒き方も板に付いている。直ぐさま、6寸くらいのメジナをGET!調子が良いようだ。しゅんじ君も遅らせながら竿を出す。仕掛け作りがまだ慣れていない。時間の掛かりすぎだ。私にもメジナが掛かる。「おっ!大きい!」しげき君が叫ぶ。実際は木っ端メジナの部類だが、彼には大きいらしい。竿の扱いに慣れていない彼は、糸出しや、キャスティングがまま成らず、ほとんどみゃく釣り状態。スズメダイの群に餌を取られているようだ。「あっ!くそ!・・・あれ~難しい~」一人でぶつぶつ言いながら釣りをしている姿に、思わず笑ってしまう。面白いやつだ。実はこの時から、例のあのダンゴを使っていたが、スズメダイとメジナの棚がほぼ一緒の浅場の磯場にはちょっと適さないようだ。今後の研究が必要となる。6,7寸のメジナが5枚釣った時点で夕食の準備をする事にした。
午後8時、バーベキューの準備。なかなか燃えない木炭に苦労したが、じゅん君が得意と言うことで、それは彼に任せ、食材の準備やお湯を沸かす鍋等を揃えた。今回、お肉は約1キロ。それ以外にカレーもあるので、4人で食べるには十分な量だ。缶ビールを全員に渡し「粟島に乾杯!」 肉、野菜、そしてサザエを焼き始める。「うまそ~」そして一口。「うめ~!最高だ!」アウトドアならではのバーベキュー。ビールが食をそそり満天の星空がさらに旨さを引き立たせた。「生きていて良かったです!」しげき君がまた感激している。オーバーなやつだ。ま、それぐらい旨かったのは確かだが。食が進み、話しが弾み一段落したところで、夜釣りをする事にした。しげき君は昼間泳いだ疲れが出たのか、テントで寝ている。私も一応泳いだのだけれども・・・夜釣りの魅力に疲れはひとまず置いておき・・・
昨年、夜釣りで42センチの黒鯛を釣った場所と同じ場所で、あわ良くば今年も!と竿をだす。餌は活エビを使い、一応マダイも狙いに入れる。ポコンポコンっとウキは反応するものの、頭を取られたり、丸ごと無かったり、アジかフグかアタリはあっても針掛かりしない。「何かな?」その内、川のように潮が動き始めウキがどんどん手前の方に流される。秒速1mくらいか。「これじゃ、釣りになんねえな~」しばらくその状態が続く。夜12時を回った頃だろうか、何やら足下が振らついた。「あれっ!」どうやらここに来て昼間の疲れが出たらしい。眠くはないものの、体が異様にだるい。この時ばかりは、さすがに年を感じた。流れがきついので足下にコマセを撒くと、型の良いアジが沸きだした。5,6匹釣った後、その場をじゅん君に預け、テントで仮眠する事にした。誰かの声で目が覚める。もう朝の5時だそうだ。仮眠のつもりが熟睡したらしい、ちょっと寝過ごした気がしたが、体はまだ寝たり無いようだ。じゅん君としゅんじ君が釣りをしている。どうやら徹夜したらしい。釣りに全体力をそそぐと言った事は嘘ではないようだ。感心!「釣れた?」「4時ごろ何か来たんですけど・・・バレました。」その割には大した釣果はないようだ。まあ、夜通し釣りをしたという経験が彼らにとって良い釣果?と言えよう。その後、寝ていたしげき君を起こし、朝マズメの釣りを楽しんだ。太陽が高く昇るにつれ、気温はどんどん上昇する。朝食のカップラーメンを食べた後、暑さの為、とても釣りをする気になれなかったが、しげき君は再度、海に飛び込んでいる。その元気さが羨ましい気もしたが、実は私自身、体力を温存していた。そう、2日目の午後に為に・・・
早めに旗崎を後にし、フェリー乗り場へ。じゅん君としげき君は午後2時のフェリーで帰るが、私は内浦港でのダンゴ釣りがやりたくてもう一泊するつもりでいた。一人では心もとないので、結構クタクタのしゅんじ君を半ば強制的に残す。2日目午後からの我々二人は前回、ウーさんと釣りを行った、丁度、フェリー乗り場と対岸の防波堤へと向かった。現場に着くと二人を乗せたフェリーが丁度、出航する。見送りが終わった後、しゅんじ君に一通りダンゴ釣りを説明する。そう、「黒研釣り講座」の始まりである。ダンゴのブレンドから握り方、仕掛け、投入方法、一応説明する。頭では理解してもいざ実践となると、馴れていない分、手元がついていかないようだ。まあ、ダンゴ釣りは初めてなので致し方ないが、今は見て覚えるしかないであろう。午後3時過ぎくらいから、メジナが釣れはじめる。8寸程度だろうか。水深も手伝ってか、相変わらず結構な引きに一人で「オ~!」とか「ソリャッ!」とか・・・何かしげき君の影響を受けたみたい。しゅんじ君はアタリは出でいる様子だが、針掛かりするまではいかないようだ。どうやら、何処でどうアタリをとれば良いのかすら、分からないようだ。私の方は尺を越えるメジナも掛かり、また黒鯛二才も釣れ、結構楽しむ。そのギャップに彼自身何か感じとってくれれば良いのだが。夕マズメの大物を期待したが、今回は音沙汰がなかったのでテントを張る事にした。
夕食の際に缶ビールを飲んだせいか、炎天下での釣りでの疲れのせいか、私に睡魔が襲ってきた。まだ午後9時半を過ぎたころである。「しゅんじ君、俺、ちょっと横になるから・・・」と言って、ふと気がつくと何ともう朝4時である。出航する漁船の音で目が覚めた。しゅんじ君も横に寝ている。慌ててテントから飛び出すと結構寒い。いわゆる放射冷却ってやつ。思わずお湯を沸かしインスタントのコーヒーを飲みながらダンゴを放り込む。すぐアタリがあった。やはりメジナ、8寸くらいだろうか。彼を起こそうと思ったが、昨日何時まで粘っていたか分からなかったので、取りあえず寝かせておく。やる気があれば起きてくるだろう。
ダンゴ釣りなのだが、ウキは円錐ウキを使っていた。通常は棒ウキ(私は遠矢ウキスリム)を使うのだが、ウキが浮上してきたときには餌が無くなっている、ここ粟島の状態では、あってもなくても良いような感じ。ダンゴの重みを竿先に感るくらいに道糸を張って、アタリをとったほうが、良い釣果になるようだ。これはもう、筏釣りと一緒である。「水中ウキだけでも良いかも・・・」そんな事を考えていると、穂先が大きく絞り込まれた。「ガツン!」っとアワセ!「オッ!おっき!(大きい)」潜る・・・潜る、「マズイ!」大きく竿を立て、リールを巻き上げる。「あれ!メジナ・・・」別の魚を期待したが、やはりメジナにちょっとガッカリしたが型は良いようだ。サイズを測ると32センチほどある。尺メジナである。ちょっと気を取り直し、この時点で彼を起こした。
午前6時くらいになると泊まり客の釣り客や散歩しにくる人などが、結構多くなってきた。「釣れますか?」定番の挨拶に愛想良く答えスカリを見せる。「へえ~結構釣れましたねえ~。あっ、これなんか大きい!」4人ぐらいで来たキス釣り用の投げ竿を持ったサンダル履きのお兄さんが興味津々と私の隣に居座る。「ああ、爆弾でやるんだ!」ダンゴ釣りの事を爆弾釣りとも言う事を知っていたので、「ええ、そうです。そのスズメダイをかわさないとダメですから・・・」と一応、仕掛けやダンゴの配合などを説明する。自分達の仕掛けで何か釣れる魚はないか、と聞かれたが竿と仕掛けが仕掛けだけに「それじゃ釣れないよ!」とは言えず、「小アジでも付けて投げればアオコ(イナダの幼魚)が来るかも・・・」と結構いい加減な事を言ってしまった。他のギャラリーも見守る中、一人爆釣する。しゅんじ君はどうかなっと思って目をやると、防波堤にドッシリっと腰を下ろして仕掛けを直している。う~ん、道はけわし~!
最終的に釣果は、尺メジナ3枚、6~9寸のメジナ15枚、黒鯛二才2枚となった。1日目に釣った魚は全部しげき君に持たせたのでそれを入れれば結構な釣果と言えよう。尺越えの黒鯛がいないのが、ちょっと寂しいが・・・。
しゅんじ君の釣果?あるでしょう~魚以外にたくさん!たくさん!
翌週、この報告を聞いたウーさんとO氏の両名が粟島へ向かったのは言うまでもない・・・
今回の釣行は会社の釣り同好会の年間行事の一つ。昨年から7月の海の日は粟島でキャンプをする事になっていた。メンバーは今年釣り歴2年目のじゅん君、今年から入会したしゅんじ君、そしてやはり今年から入会した新人のしげき君、私以外、全員ビギナー!果たして釣りに成るのやら・・・
2日前にミーティングを開き、行動日程や持ち物を説明する。私自身は今回はキャンプがメイン?とあって、1週間前から道具等は準備を進めていた。昨年来たとき、海水浴客がバーベキューで美味しそうにお肉やサザエを焼いて食べていたのを思いだし、携帯用のバーベキューセット(890円!)も購入していた。「夜はバーベキューでサザエ焼くから、誰か泳ぐ準備してきて!」
と思い切り新人の二人を指名。戸惑う二人に、ニコニコしながら私は「水中メガネは持っているから・・・」と会長権限を発揮したりして。
その後、釣り道具屋に行って、メンバーの仕掛けやクーラー等の備品購入のアドバイスを行い、前日に餌等を購入して後は行くだけとなった。 7月18日、朝8時、最南端の私の自宅集合・・・のはずだった。粟島行きフェリーが発着する新潟の岩船港までは、車で約1時間半。出航は、10時半だったので、余裕をみて8時の集合にした。が、8時10分過ぎても20分過ぎても誰も来ない、携帯電話もつながらない「何やってんだろう・・・」不安とイライラがつのる。30分近くになって、ようやくじゅん君としげき君が乗った車が来た。その3分後にしゅんじ君。私は既に爆発していた。「すいません!遅れました!」「何やってんなや!行く気あんのか!」私の一喝にしゅんじ君、焦りすぎて家の近くのブロック塀に車をぶつける始末。どうやら餌の購入やコンビニに寄って遅れたらしい。「まあまあ、釣りは楽しく・・・」妻の一言に気を取り直し、私の車にしゅんじ君を乗せ、一路岩船港へ向かった。出だしから、やはり前途多難なメンバーであった。
辛うじて時間には間に合い、ホッと一息。フェリー先端部に陣取っての乗船。初めて乗る二人は爽快な天気と心地よい風に、はしゃいでいた。
「あっ!あれ何ですか?」「飛び魚だよ。」「あんなに飛ぶんですか!」しげき君が感激している。
これだけでも、連れてきた甲斐があるというもの。
昼12時ジャスト、粟島到着。カップラーメンの昼食後、我々は目的地の旗崎へ向かった。真夏日が降りそそぐ。結構暑い。「美しい汗をかこう~、生きているって素晴らしい~」ギャッツビーのCMソングをみんなで口ずさみながら、約15分の道のりを歩く。旗崎には既に海水浴客が大勢いたが、昨年もテントを張った場所は空いていた。直ぐさまベースキャンプを張る。
「しげき君、海パン持ってきた?」「持ってきました!」「じゃあ、これ・・・」水中メガネと網を渡す。
早速、サザエ取りの指示。「しゅんじ君は?」「一応持ってきましたけど・・・遠慮しときます。」「何で?」「疲れますから・・・」どうやら、釣りに全体力をそそぐらしい。仕方ないので、しげき君に期待したが、5,6個しか取れない。「気持ちいい~、最高ッス!」あまりにも気持ちよさそうに泳いでいる、しげき君を見ていると、海育ちの私の血が騒ぎだした。「しょうがない!俺も泳ぐか!海パン貸して!」夏場も釣りばかりしていた私としても2年ぶりの海水浴である。幼少の頃から潜りが得意だった私は、サザエを探す。しかし、既に取られた後なのか、あまりなく、私自身も6個程度取って、ギブアップしたが、バーベキューで焼く分くらいは何とか確保出来た。
午後4時近くになって、ようやく釣りの準備を始める。しげき君には私の道具一式を貸してやり私のそばに置くことにした。何せ、しげき君、本格的な磯釣りは初めて。何をするにも感激している。他のメンバーは一応、一通り教えてあるので、今回はほっとく事にした。 今年2年目のじゅん君、他のメンバーよりはさすがに慣れているのか、撒き餌の撒き方も板に付いている。直ぐさま、6寸くらいのメジナをGET!調子が良いようだ。しゅんじ君も遅らせながら竿を出す。仕掛け作りがまだ慣れていない。時間の掛かりすぎだ。私にもメジナが掛かる。「おっ!大きい!」しげき君が叫ぶ。実際は木っ端メジナの部類だが、彼には大きいらしい。竿の扱いに慣れていない彼は、糸出しや、キャスティングがまま成らず、ほとんどみゃく釣り状態。スズメダイの群に餌を取られているようだ。「あっ!くそ!・・・あれ~難しい~」一人でぶつぶつ言いながら釣りをしている姿に、思わず笑ってしまう。面白いやつだ。実はこの時から、例のあのダンゴを使っていたが、スズメダイとメジナの棚がほぼ一緒の浅場の磯場にはちょっと適さないようだ。今後の研究が必要となる。6,7寸のメジナが5枚釣った時点で夕食の準備をする事にした。
午後8時、バーベキューの準備。なかなか燃えない木炭に苦労したが、じゅん君が得意と言うことで、それは彼に任せ、食材の準備やお湯を沸かす鍋等を揃えた。今回、お肉は約1キロ。それ以外にカレーもあるので、4人で食べるには十分な量だ。缶ビールを全員に渡し「粟島に乾杯!」 肉、野菜、そしてサザエを焼き始める。「うまそ~」そして一口。「うめ~!最高だ!」アウトドアならではのバーベキュー。ビールが食をそそり満天の星空がさらに旨さを引き立たせた。「生きていて良かったです!」しげき君がまた感激している。オーバーなやつだ。ま、それぐらい旨かったのは確かだが。食が進み、話しが弾み一段落したところで、夜釣りをする事にした。しげき君は昼間泳いだ疲れが出たのか、テントで寝ている。私も一応泳いだのだけれども・・・夜釣りの魅力に疲れはひとまず置いておき・・・
昨年、夜釣りで42センチの黒鯛を釣った場所と同じ場所で、あわ良くば今年も!と竿をだす。餌は活エビを使い、一応マダイも狙いに入れる。ポコンポコンっとウキは反応するものの、頭を取られたり、丸ごと無かったり、アジかフグかアタリはあっても針掛かりしない。「何かな?」その内、川のように潮が動き始めウキがどんどん手前の方に流される。秒速1mくらいか。「これじゃ、釣りになんねえな~」しばらくその状態が続く。夜12時を回った頃だろうか、何やら足下が振らついた。「あれっ!」どうやらここに来て昼間の疲れが出たらしい。眠くはないものの、体が異様にだるい。この時ばかりは、さすがに年を感じた。流れがきついので足下にコマセを撒くと、型の良いアジが沸きだした。5,6匹釣った後、その場をじゅん君に預け、テントで仮眠する事にした。誰かの声で目が覚める。もう朝の5時だそうだ。仮眠のつもりが熟睡したらしい、ちょっと寝過ごした気がしたが、体はまだ寝たり無いようだ。じゅん君としゅんじ君が釣りをしている。どうやら徹夜したらしい。釣りに全体力をそそぐと言った事は嘘ではないようだ。感心!「釣れた?」「4時ごろ何か来たんですけど・・・バレました。」その割には大した釣果はないようだ。まあ、夜通し釣りをしたという経験が彼らにとって良い釣果?と言えよう。その後、寝ていたしげき君を起こし、朝マズメの釣りを楽しんだ。太陽が高く昇るにつれ、気温はどんどん上昇する。朝食のカップラーメンを食べた後、暑さの為、とても釣りをする気になれなかったが、しげき君は再度、海に飛び込んでいる。その元気さが羨ましい気もしたが、実は私自身、体力を温存していた。そう、2日目の午後に為に・・・
早めに旗崎を後にし、フェリー乗り場へ。じゅん君としげき君は午後2時のフェリーで帰るが、私は内浦港でのダンゴ釣りがやりたくてもう一泊するつもりでいた。一人では心もとないので、結構クタクタのしゅんじ君を半ば強制的に残す。2日目午後からの我々二人は前回、ウーさんと釣りを行った、丁度、フェリー乗り場と対岸の防波堤へと向かった。現場に着くと二人を乗せたフェリーが丁度、出航する。見送りが終わった後、しゅんじ君に一通りダンゴ釣りを説明する。そう、「黒研釣り講座」の始まりである。ダンゴのブレンドから握り方、仕掛け、投入方法、一応説明する。頭では理解してもいざ実践となると、馴れていない分、手元がついていかないようだ。まあ、ダンゴ釣りは初めてなので致し方ないが、今は見て覚えるしかないであろう。午後3時過ぎくらいから、メジナが釣れはじめる。8寸程度だろうか。水深も手伝ってか、相変わらず結構な引きに一人で「オ~!」とか「ソリャッ!」とか・・・何かしげき君の影響を受けたみたい。しゅんじ君はアタリは出でいる様子だが、針掛かりするまではいかないようだ。どうやら、何処でどうアタリをとれば良いのかすら、分からないようだ。私の方は尺を越えるメジナも掛かり、また黒鯛二才も釣れ、結構楽しむ。そのギャップに彼自身何か感じとってくれれば良いのだが。夕マズメの大物を期待したが、今回は音沙汰がなかったのでテントを張る事にした。
夕食の際に缶ビールを飲んだせいか、炎天下での釣りでの疲れのせいか、私に睡魔が襲ってきた。まだ午後9時半を過ぎたころである。「しゅんじ君、俺、ちょっと横になるから・・・」と言って、ふと気がつくと何ともう朝4時である。出航する漁船の音で目が覚めた。しゅんじ君も横に寝ている。慌ててテントから飛び出すと結構寒い。いわゆる放射冷却ってやつ。思わずお湯を沸かしインスタントのコーヒーを飲みながらダンゴを放り込む。すぐアタリがあった。やはりメジナ、8寸くらいだろうか。彼を起こそうと思ったが、昨日何時まで粘っていたか分からなかったので、取りあえず寝かせておく。やる気があれば起きてくるだろう。
ダンゴ釣りなのだが、ウキは円錐ウキを使っていた。通常は棒ウキ(私は遠矢ウキスリム)を使うのだが、ウキが浮上してきたときには餌が無くなっている、ここ粟島の状態では、あってもなくても良いような感じ。ダンゴの重みを竿先に感るくらいに道糸を張って、アタリをとったほうが、良い釣果になるようだ。これはもう、筏釣りと一緒である。「水中ウキだけでも良いかも・・・」そんな事を考えていると、穂先が大きく絞り込まれた。「ガツン!」っとアワセ!「オッ!おっき!(大きい)」潜る・・・潜る、「マズイ!」大きく竿を立て、リールを巻き上げる。「あれ!メジナ・・・」別の魚を期待したが、やはりメジナにちょっとガッカリしたが型は良いようだ。サイズを測ると32センチほどある。尺メジナである。ちょっと気を取り直し、この時点で彼を起こした。
午前6時くらいになると泊まり客の釣り客や散歩しにくる人などが、結構多くなってきた。「釣れますか?」定番の挨拶に愛想良く答えスカリを見せる。「へえ~結構釣れましたねえ~。あっ、これなんか大きい!」4人ぐらいで来たキス釣り用の投げ竿を持ったサンダル履きのお兄さんが興味津々と私の隣に居座る。「ああ、爆弾でやるんだ!」ダンゴ釣りの事を爆弾釣りとも言う事を知っていたので、「ええ、そうです。そのスズメダイをかわさないとダメですから・・・」と一応、仕掛けやダンゴの配合などを説明する。自分達の仕掛けで何か釣れる魚はないか、と聞かれたが竿と仕掛けが仕掛けだけに「それじゃ釣れないよ!」とは言えず、「小アジでも付けて投げればアオコ(イナダの幼魚)が来るかも・・・」と結構いい加減な事を言ってしまった。他のギャラリーも見守る中、一人爆釣する。しゅんじ君はどうかなっと思って目をやると、防波堤にドッシリっと腰を下ろして仕掛けを直している。う~ん、道はけわし~!
最終的に釣果は、尺メジナ3枚、6~9寸のメジナ15枚、黒鯛二才2枚となった。1日目に釣った魚は全部しげき君に持たせたのでそれを入れれば結構な釣果と言えよう。尺越えの黒鯛がいないのが、ちょっと寂しいが・・・。
しゅんじ君の釣果?あるでしょう~魚以外にたくさん!たくさん!
翌週、この報告を聞いたウーさんとO氏の両名が粟島へ向かったのは言うまでもない・・・
Posted by 黒研 at 22:26│Comments(0)
│粟島遠征記
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。