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2005年11月18日

粟島遠征記① -マダイのノッコミ-

1998年5月22日~24日

 思い起こせば、昨年6月20日、台風8号が通過中の粟島での出来事がきっかけだと思う。
雨と強風の為、磯場でのキャンプを断念した私とウーさんは、粟島フェリー乗り場へ逃げ込んだ。そこで、しばらく暖をとった後、2階のレストラン(夜はスナックになっていたが・・・)で夕食のラーメンを食べていると、そこで飲んでいた地元の親父に某釣り雑誌を見せられた。それにはこう書いてあった。「マダイアイランド・粟島」写真には、40から50センチ級のマダイを釣り上げた釣り師の面々。日付は97年05月中旬とあった。我々はそこで「あと、一ヶ月早く来ればよかった!」と思い「来年来よう!」と決意したのである。
あれから1年。ついに、その時がやってきた!マダイのノッコミの時期である。

 1週間前から念入りな準備を進め、粟島の情報を仕入れ、我々は胸が高まるのを押さえながら一路粟島へ向かった。今回の同行は仕事上でもお付き合いのある釣り仲間のウーさん、H氏、O氏の3人。港に着くなり民宿「松太屋」の女将さんが運転するマイクロバスで粟島の裏側「釜谷」へ。直ぐさま渡船して、釜谷港前方の山崎付近の岩場へ二人ペアに分かれての釣行。 私は釜谷側は初めてだったが、ウーさんは何度か来たという事で、場所や水深などで色々アドバイスをして頂き、お互い釣り座を決めた。撒き餌、仕掛けを作り、竿を振り込む。最初、浅そうに見えたそのポイントが実はかなり深い事が分かり、ウキ止めを調整しながら、底のマダイへと仕掛けを流し込む。天気は程良い、晴天だった。ここしばらく天気は良い。しかしそれが災いする事を、この時点での我々には思いもしなかったのである。
 たまに小さなアタリはあるものの、まったく釣れない。来た!っと思ったらアジだったり、フグだったり。その日、午後からの釣りは、大した釣果もなく時間が過ぎ、迎えの船が来てしまった。結局、私達とは別の岩へ渡ったH氏が5,6寸のマダイを2匹釣っただけだった。 民宿に戻り、夕食を食べる。言わずと知れた海鮮料理のオンパレード!釣果はともかく、その旨さに救われたような気がした。

 2日目、朝4時出発、立島付近の離岩に渡してもらう。今回はH氏とペア。多少西風が吹いていたものの、波は差ほどなく、「今度こそは・・・」と急いで撒き餌、仕掛けを作る。水深を測って見ると約10m。竿2本分はあった。実はこの日の為に、深場用の円錐ウキ(1.5号)を購入していた。併せて速攻深瀬なる水中ウキ(-1.5号)との組み合わせ。ウキのなじみの早さは抜群に良い。撒き餌の配合も深場用をブレンド。水深10mくらいなら楽に利いてくるはずであった。

粟島遠征記① -マダイのノッコミ-
<懸命に攻め続けるH氏>

 しかし、昨日同様、一向にアタリがない。周囲20mも無い岩を色々ポイントを変えて攻めてみる。それでもダメなら遠投してみる。メジナでも群れて来ないかと思い、足下に大量に撒き餌を撒いてみたが、スズメダイ以外、魚の気配は無かった。「何故?何故釣れない?!」時間だけが過ぎていく。その時、昨日、ウーさんの言った言葉を思い出した。「餌が冷たいよ!」海水を触った感じではそんなに冷たく感じないのだが、巻き上げた仕掛けの餌のオキアミを触ると、氷水にでも漬けてあったかのように冷たいのである。「上層と下層の水温が違いすぎるのか・・・」

粟島遠征記① -マダイのノッコミ-
<ウーさんペア。奥に見えるのが立島>

 ウーさん、O氏ペアも釣れている気配は無い。それどころか、釣りをやめて、何やら岩場を歩き回っている。
「何やっているのかな?」かなり離れている為、声も掛けられない。
民宿から船で弁当が届いた。「飯でも食べるか。」天気は良い。良すぎる。「暑い!」その時点から我慢大会が始まった。気温はどんどん上昇し、降り注ぐ太陽の下で、逃げ場のない我々は、ただひたすら迎えの船が来るまで釣りをするしかなかったのである。「弁当を届けに来た時点で帰れば良かった。これじゃあ、地磯の方がいいね。」そんな会話をしながら、残り少ない飲み物を口にする。夕マズメに期待したが、アジすら釣れなかった。粟島から見る日本海に沈む夕日を見ながら、「これを見られただけだけでもいいか・・・」などとキザな事を考えては自分を慰めていた。

ようやく迎えの船が来た。港に着き、ウーさんに「磯で何してたの?」と聞くと、何やらニヤニヤしている。「実は、サザエ・・・」二人のクーラーは、ずっしりと重かった。渡った岩にびっしりとあったらしい。採ってはいけない事にはなっているが、まあいいでしょう、何も釣れなかったのだから・・・。(これを読んだ人も内緒ですよ!)私もお裾分けで数個頂いたので、同罪ですけど・・・(^^;)

 2日目の夕食も美味しく頂き、風呂に入った後、私は物足りなかったので、夜釣りをする事にした。その意見にO氏が賛同した。私の長い長い2日目は、まだまだ終わらなかったのである。2日間、オケラに近かった私は、せめてアジでもと、釜谷港の防波堤で釣りをする事にした。ウーさんとH氏は見物している。釣れるようだったら、自分達もするらしい。ギャラリーの見守る中、ケミホタルの光は一向に消し込まない。1時間ほど粘ったが、まったく釣れない。「ダメ!釣れない!・・・Oさん、思い切って磯場行く?」ギャラリー達は既に民宿に戻っていた。こうなったら、釣れるまで粘ろう!徹夜覚悟で我々は港の外海の小磯に向かった。
 夜にはちょっと険しい岩場だったが、何とかたどり着き、第1投目を入れる。直ぐさま、ウキが消し込まれた。慌てて竿を振り上げる。「何か来た!来た!」久々のアタリと結構強い引きに面食らった私は、思わず声を上げてしまった。夜なので何が掛かったかも分からず、一応タモですくってもらった魚は、大きな黒ソイだった。1投目からのヒットに「最初からこっちに来れば良かったねえ」とO氏と話し、そうこうしている内に彼にも大アジがヒット!私にもヒット!眠気を吹き飛ばすかのように釣れ始めたのある。
 気がつくと、夜が明けてきた。「釣れた?」ウーさんが現れた。「結構釣れました。」O氏が魚を見せている。時計を見ると、午前5時をまわっていた。O氏がもう限界そうな顔で、民宿に戻る。入れ替わり、ウーさんが釣りを始める。朝マズメの大物を期待したが、私も体が言うことを聞かなくなってきたので、民宿に戻る事にした。この時点でようやく、私の2日目?が終わったのである。

 3日目の朝飯は粟島名物「ワッパ煮」だった。魚のぶつ切りを、焼いた石で煮る豪快な味噌汁である。珍しさと美味しさに感激しながら、お腹を膨らますと、さすがに睡魔が襲ってきた。そこで一眠りすれば良いのだが、その日の午後2時のフェリーで帰らなければならない事を思うと、寝てはいられなかった。一応、眠気覚ましにシャワーを浴びて戻ると、O氏は爆睡していた。無理もない。 ウーさんと防波堤でメジナ狙いで釣りをする。コマセが利いたのか、直ぐさまアタリがあり、ガツンっとあわせると8寸くらいのメジナ。「おもせ~!(庄内弁です。面白いと言う意味)」 尺までいかなくても、十分な強い引きに釣りの面白さを改めて実感する。「渡船しないで、ここでやっていれば良かったねえ」本気とも冗談ともつかぬ会話をしながら、帰り時間ぎりぎりまで釣りをしたのである。

 本命のマダイはとうとう釣れず、大漁とまでも行かない釣行だったが、初めての「釜谷」は、私に「秋磯にまた来い!」と、言っているかのようだった。帰りのフェリー・・・・もちろん、爆睡です!



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