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2005年09月02日

過去記事

庄内黒研オープン時から2003年ごろまでの過去の記事を抜粋してアップしたします。
一部、加筆して内容の濃い物にしていこうかと思います。

一度、読んだ方も、もう一度、目を通して下さいね・・・



  


Posted by 黒研 at 20:47Comments(0)過去記事

2005年09月02日

シノコダイ釣り

 例年になく各港内でシノコダイが好調との事。シノコダイが多いと言う事は、それを産んだ親も多いと言う事になるが、春磯の乱釣で数が減ったのではないかという庄内人の不安は、とりあえず取り除かれたようである。

 私はシノコダイ釣りも行う。仲間の釣り師達に「ダメだよ!釣っちゃあ!」と良く言われるが、大物釣りにない繊細な釣りの魅力には勝てず、また幼少から長年やってきた恒例行事のようにこの時期になると、思わず竿を出してしまうのである。幼少と言ってもシノコダイを専門に狙うようになったのは小学3,4年生からだが、ようは私は「シノコダイ釣り師」からのスタートと言う事になる。毎年、毎年20年以上やっている訳だ。

 私の師匠は父である。家には何本もの釣り大会のトロフィーがあった。その父に釣りの基礎を教えられ、シノコダイの釣り方を教わった。小学生の私は、親の影響もあり、それ以来すっかり夢中になり、以前、この場でも話したが、老釣り師も一目おく立派なシノコダイ釣り師となったのである(^^;)。

 父とは、訳あって離れて暮らしているが、親戚の法事で集まった際に久しぶりに親子で釣りをする事になった。弟も一緒である。父は釣りをするのは久しぶりと言う事で、私の一番お気に入りの「シノコ鯛七尺」という先の細い中通しのシノコダイ専用竿を使わせる。「これは良い竿だ・・・本当に良い竿だ。」この言葉をしきりと連発しながら一人ヒタヒタと釣りまくる。私は昔使っていた1.8mの短竿を使ったが、穂先が硬く、しかも道糸が古く糸よれがきつく、アタリが取りにくく、ようはなかなか釣れないでいた。苦戦している私を見て、父が「お前はいつも釣っているのだから、それはハンデだ!この竿は今日は一日使わせてもらう。」と笑顔で話す。余程、「シノコ鯛七尺」竿が気に入ったらしい。

 この日は、上層にいるシノコダイはチラチラと見えるものの一向に喰ってこない。潮が枯れているせいもあるのだが、型の良くなったシノコダイは頭も良くなり、次第に底の方へ移動する。よって通常のコマセ(山砂にコアミなど)を撒き、ウキを付けての1ヒロ2ヒロの棚での釣りでは、なかなか釣果につながらない。周りにいる殆どの釣り客はこの釣法で行っており、釣果も今ひとつの様だ。そんな中、私達3人はコンスタントに釣っているものだから、ギャラリーが出来てくる。
 我々の釣法は明らかに他の人とは違っていた。と言っても単に底を狙って釣っているのだが・・・ポイントが2つあった。一つはコマセである。「オカラダンゴ:マルキュー」にコアミを混ぜて硬く握り、際近くに落とす。つまり底に寄せているのである。エサを包まないだけで、ようは団子釣りと一緒な訳だ。ただこれは欠点がある。ボラも寄せてしまうのだ。事実、私も父も3回ほど掛けてしまった。ハリス0.6号では60センチ級は上がらない。切れるのを待つだけである。もう一つのポイントは完全フカセである事。庄内釣りの原点である。父曰く「こんな日は、ラインを弛ませて遊ばせた方がいいなや。」底べったりに沈ませたエサを、たまにしゃくったり、ゆっくり引き上げたりして誘いを掛ける。浮かせてのウキ釣りにすると、殆ど誘いをしないため、喰いが渋い今日のような日には向かないのである。誘いまでは誰でも出来るが、問題はアワセである。弟はこのアワセが上手く出来ず、最終的に2匹で終わっている。穂先がしなるようなアタリは比較的簡単に反応出来るが、実はそれではアワセが遅い場合が多い。弛ませていたラインが伸びてきたり、またその逆に弛んだりした瞬間にアワセを行うのだ。クロダイは結構喰い上げる為、穂先に反応しない場合が多い。それを知らない人は、アワセのタイミングが分からず、エサだけが無くなる。つまり我々はラインの動きを見て釣っていたのである。

 昔の勘を取り戻した父は、最強の竿も手伝って、爆釣している。型の良いシノコダイはリールをギーギー言わせ、底から浮いてくるまでの間を十分楽しませてくれる。父の顔から笑顔が絶える事は最後までなかった。



 ただ残念な事が一つだけあった。私たちが釣りをしているとある地元の漁師さんが来て、こう言った。「あんたらさは困ったもんだ!」最初、あんまり釣るなと怒っているのかと思ったらそうではないらしい。「コマセの汚いものや、ゴミは捨てて行くし・・・俺だみんな片づけんなんぜ!見っちゃあそこ!」と、指を指した所に確かにゴミが山積みになっている。それは明らかに、誰かが袋ごと置いていった物であった。つまり我々は、そういったマナーの無い釣り客の代表にさせられて怒られたのである。当然、私はゴミを捨てていった事は一度も無いが、父が「うちらのは全部持って行くから・・・」と一言、言った時に、私は無性に切ない気持ちになった。折角の親子での楽しい釣りが、一部のマナーのない釣り客の性で、水を差されたのである。その漁師さんはすぐ立ち去ったので、事なきを得たが、この問題は永遠のテーマなのだろうか・・・

 家に戻り、40匹強の釣果に満足している父と祝杯を挙げる。今日は釣りをしていて良かったと強く感じた日であった。秋磯が深まり、磯場でも釣れているとの事。そろそろ尺以上も狙いますか・・・

<1999/09/18 記載記事>


  


Posted by 黒研 at 20:58Comments(0)過去記事

2005年09月07日

装備は大事

先日、温海の磯場で釣りをしていた際に、大波を頭から被り危うく海に
浚われそうになりました。

ここまでは波は来ない・・・」という思い込みがいけなかったのですが、
みなさんも十分ご注意を・・・

最近の釣りブームで若い世代にも海釣りをする方が多くなったようです。
しかしながら、その装備は軽装な方が多く、波の高い磯場でも普通のシューズ
ライフジャケット無しでの格好での釣りをする方がおりますが・・・

落ちたら死ぬぞ!絶対!・・・(`へ´)

先日の某防波堤での出来事。
車で釣り仕度をしていた際に、手にルアー竿を持った若い女性が歩いて来ました。
多分、イナダ狙いなのでしょうが、その格好を見て思わず (゜ロ゜)ギョッ!
軽装中の軽装・・・肩丸出しでミニスカート、上げ底サンダル!
別に見とれていた訳ではありません・・・(*´ー`)

その後ろから彼氏でしょうか、男性が駆け寄って来まして、
まあ、彼の方はそれなりの釣りの格好だったのですが、彼女に向かって一言・・・

お前それじゃテトラに乗れないだろ! 俺のズック貸すから履けよ!危ないから・・・

あの~それ以前の問題だと思いますが・・・

<2001/6/4 メルマガ記事>


  


Posted by 黒研 at 20:22Comments(0)過去記事

2005年09月23日

「釣り」への姿勢

釣りをしている人を観察すると、ある程度の人柄や性格が読みとれる場合がある。
特にビギナーはそれが謙虚に現れ、釣りの向き不向きはもちろん、人間としての成長度が測れるのだ。

これは当時、私の上司だった人とのエピソード。

無趣味だった彼が私の肩を叩きこう言った。

俺も趣味持ちたいんだけど、釣りでもやろうかと・・・

私が釣りバカなのを知っているので、道具や仕掛け一式を教えてほしいとの 事。断る理由もなく私は、釣りの楽しさを知って頂きたく、最初から大物狙いは無理と判断し、小物竿と仕掛け一式を見繕い今度の休みに一緒に釣りに行くこととなった。

季節は初秋、防波堤での小物釣りにはもってこいの時期。
私はシノコダイ狙いで鼠ヶ関の防波堤に彼を連れて行き、竿の伸ばし方から、仕掛けの作り方 などを、一通り教えた。
流石に私の上司だけあって、そこまでは問題なくこなす。防波堤に二人並んで腰をおろし、竿を出す。潮加減も良かったのか、すぐさ ま私にヒット。またヒット。シノコダイの入れ食い状態だった。おまけに結構強烈な引きだと思ったら二才。

うぉ!大き~!

彼が驚く。そんな彼には1匹も釣れない。
12,3匹釣ったところで、彼がこう言った。

仕掛け悪いなんね~。見てくれ!
仕掛けは同じだよ~

悪い訳はない、私が買った仕掛けで、私の仕掛けと同じようにセットしたのだから。
しばらくして、また彼がこう言った。

竿の長さちょっと違う物~。ちょっと変えてみよ~
いいよ~

確かにほんの30センチほど、彼の竿は長かったが、取り替えた私はそれでも釣り上げる。また彼がこう言った。

場所悪りなだ~!そっちさ、移って良いが~
いいよ~

座っていた場所を取り替えるが、二人は1mも離れてはいない。 私の爆釣は続いた。
さて、彼の行動は・・・次のうちどれでしょう。

1.そのまま釣れない釣りを黙々と続けた。
2.ふてくされてやめて帰った。
3.釣れているのにも関わらず別の場所に移動した。


実は大体のビギナーは上記のどれかに該当する。しかし、彼の場合は違っていた。
真面目な顔で私の方を向き、こう言った。

俺の腕が悪いのはわかった・・・何が悪いのか教えてくれ。

そう言って彼は部下である私に、ペコっと頭を下げたのだ。 当然の事ながら、何故彼が釣れないのか私にはわかっていた。が、ちょっと意地悪をして肝心な事を教えていなかったのだ。
しかし、彼がそう言った事で、真剣に釣りを楽しみたいという気持ちがわかり、私も真剣に教える事にしたのである。

アワセだよ!アワセ方が悪いんだよ。ほらこうやって手首を返して・・・

彼はアワセを行うとき腕を上げていたのだ。

それから、シノコダイは何も引くだけじゃあないから・・・エサ喰わえたら上に上がってくる場合もあんのよ。だから穂先だけじゃあなくて道糸も見てないと・・・
あと、時々しゃっくって誘いを掛けるの・・・

一つ一つを実演して教える。それを聞いた彼は、的を得たかのような顔で、1匹2匹と釣り上げる。
その後は大漁で楽しい釣りとなった。

何事も新しい事に取り込む為には、それに対する姿勢と粘りが大切なんだと いう事を彼から教わったような気がする。
後に彼は大物釣りにも挑戦する。訳あって退職してしまったが、彼が念願の尺黒鯛を釣ったのはこの時から5年後の秋だった・・・

(2000/2/3 メルマガ記事)

   


Posted by 黒研 at 00:42Comments(0)過去記事

2005年09月28日

釣りに嵌る

釣りを始めるキッカケと言うものは人によって様々である。
私のように、物心ついた時から釣りをしている人は別として、社会人になってから、始めた人はそれなりに理由があるだろう。
前回の記事で載せた人のように「趣味を持ちたくて・・・」もまた、一つの理由である。しかし、釣りというものは意外と単純な事で、「はまる」人が多いのである。今回はその典型的なエピソードを紹介しよう。

季節はやはり初秋。私は釣り仕度をして、波の状況を確認しようと、由良「白山島」の駐車場に行くと、何やら見た事のある車が駐車してあった。
それは2つ年下の同僚の車だった。周辺にはいない。

「・・・っとすると・・・あそこか?」

白山島には「海の釣り堀」がある。橋の上から探索すると、いましたいました!
しかも彼女連れで・・・(実は彼女も同僚だったりする)

「お~!何すったな。こげだ所で・・・ニヤリッ」

「ありゃ~見つかった・・・いや、釣りしよって言うから・・・(彼女をチラリ)^^;」

「こげだ釣り堀でやらないで、本当の釣りしよぜ!道具はあっがら!」

「あ、んだの~どうする行く?・・・じゃあ行くがあ~どさ行くな?」

「鼠ヶ関!」


私は二人を引き連れて例の鼠ヶ関漁港へ出向く。竿や仕掛け、餌類は全て私のものを貸し与え、釣り方など一通り教えた。
最初は上層の小アジばかり釣れたが、時折、シノコダイが混ざる。

「それそれシノコダイ!クロダイの子だよ・・・」
「ああ~これがシノコダイがあ~。結構引くの~!」二人のカップルは競うように釣り上げる。

「私の方が上手いなんね!」
「何言ったなや!俺の方が釣ってっろ!」

まったく、俺の事はほっといて仲の良い二人である。
午後4時半ぐらいだろうか、私の竿に、二才が掛かった。私は彼に

「おめさも掛がっかも知れねぞ!少し棚を深くしてみ!」
そうアドバイスした矢先、「ギーーーーー!!」というリール音とともに、彼の竿が伸される。

「ああ!ダメダメ!竿立てないと!落ち着いて・・・」

「うぉ・・・・」


魚体が見えた、明らかに二才である、8寸級だろうか。
が、しかし水面まで浮いてきた瞬間、敵もさることながら、更なる突っ込みに彼は対処出来ず、プツッとハリス切れ!

「あっ!(;゜〇゜)」

「ああ~!悔しい~何で~・・・・ああああ~(×_×;)シュン」

「早く、仕掛け作って!まだ来っがも知れねがら・・・」


時刻は午後5時を過ぎ、周囲はだんだん暗くなり始めてきた。

「ねえ~諦めて帰ろ~」彼女が言う。

「までまで・・・もうちょっと・・・」諦めきれない彼。

が、どっぷり日が沈むまで彼の竿は2度と曲がる事はなかった。

次の日、会社で彼が私の所へ来てこう言った。

「俺も道具揃えたいんで、夕方つき合ってくれませんか?」

「良いよ~♪.。ooO(はまったな・・・( ̄ー ̄)ニヤリッ)」


彼の参戦が、会社の「釣り同好会」を発足させるキッカケになったのだが、その後彼は、連日のように近くの釣り道具屋に通い、みるみる内に道具だけは揃っていった・・・

(2000/2/21 メルマガ記事)


   


Posted by 黒研 at 20:42Comments(0)過去記事

2005年09月29日

危険な魚

時として、危険な魚が釣れる場合がある。

先日、鼠ヶ関で釣りをしていたら、体調10センチほどの茶色い魚を釣り上げた。
初めアイナメかと思ったら、ちょっと違う。「あれっ!もしかして・・・」と思いながら、釣り上げた魚をタオルでつかみ、針を外そうと思った瞬間、チクッと右手の親指に・・・

「痛て!ゲッ!やっぱりハオコゼだ!」

それからが大変だった。見る見るうちに腫れ上がりジンジンと痛みが走る。
その痛みは親指から人差し指、手の平側まで浸透しだした。
痛い!ホントに痛い!蜂くらい?いいやそんなんじゃ効かない!
痛さと同時に痺れもくる。もう竿も握れない。

「あ~どうしょう・・・取りあえず冷やすか・・・」水汲みバケツに海水を入れ、手を突っ込む。
「医者行った方が良いかな・・・まあ、大丈夫かな、前にも刺されたし、一時的なもんだろ・・・それにしても痛って~」

その痛みは約1時間ほど続いたが、次第に感覚が戻り、何とか釣りを再開出来るようになったのだが・・・
背鰭、胸鰭に毒がある魚は結構いて、オコゼは有名だが、根魚系は微量だが殆ど毒があると思っても過言ではない。
ウマズラの背中にあるトゲや黒ソイの背鰭にすら、微量の毒があるので釣ったとき注意されたし。
昨年、南方(関西や九州)にしかいないと思われていた、「アイゴ」がこの庄内の各港内で結構、釣れた事がある。所変われば高級魚の部類に入るのだが、実はこの魚背鰭に毒を持っている。釣った人が、何の魚か分からず刺されたという情報が多数入り、一時、釣り具店等で「アイゴ注意!」の張り紙が出たくらいだ。今年は釣れたという情報はないようだが。

釣りに行った際に、見たことがない魚を釣り上げたら、むやみやたらに触らない事!特に茶色い魚はね(^^;)

(1999/11/3 メルマガ記事)


   


Posted by 黒研 at 20:35Comments(0)過去記事

2005年10月01日

嵌らない人

釣りに誘って「はまる人」もいれば、何故か「はまらない人」もいる。
そんな人は釣り以上の楽しい趣味を持っているか(そんな物は考えられないが・・)もっと重要な行事や大切な事(彼女とのデートとか・・・)をやらなければならない人である。

会社の「釣り同好会」が俄に活気づいてきた時の、エピソード・・・
今度の土曜日も釣りに行こうと、メンバーと楽しく談話していると、当時上司
だったK氏が、自分も行きたいと言い始めた。彼はアウトドア派で、ヨットや
スキー、登山など、海山問わず非常に多趣味な人だったので、釣りにも興味を持ったらしい。
「道具も買うから・・・」そう言うので
「じゃあ、みんなで一緒に!」と、5人で鼠ヶ関に釣りに行く事になった。

当日、台風が接近しているとの情報に、K氏が
「風強くなりそうだけど、大丈夫なの?( ゜_゜)」
と、心配していたが、
「台風の前後が、一番釣れるんです!(^^;)」と、なだめて強行する。
私とK氏は内湾に行き、その他のメンバーは血気盛んに外海で大物狙い。
K氏の仕掛けを一通り作ってやり、小物釣りに興じる。彼の竿は4mくらいの中
通しで、大物も十分狙えるが、ビギナーにはまだ早いと思っていた。
台風前だけあってか、結構喰いも良い。型は小さいが、海タナゴ、クロコ、シノコダイが釣れる。五目釣り状態だった。
「外の様子を見て来ますね・・・」外海に向かった他のメンバーの様子が気になり、K氏を一人残して行く。
少々海練りも出始めた海で、3人がんばっているが、釣果はないようだ。
K氏の元へ戻って見ると、彼が大声を上げていた・・・

「お~い!!助けてくれ~!( ^O^;)/」

見てみると、なんと釣り上げた魚を上手く掴めず、魚が自分の体の回りをぐるぐる回っているのだ。
思わず苦笑・・・
しかし、駆け寄ってビックリ!釣り上げていたのは二才(黒鯛2年目)であった。
「オオー!Kさん!二才じゃん!やったね~(^^)」
「二才って?良いの?(・_・)......ン?」
「何って・・・みんなこれ釣りたくてがんばってんですよ!」

まさにビギナーズラック・・・が、魚の価値観が分からない為、少々型の良い魚を釣ったとしか思ってないらしい・・・
しかも連チャンで二才がまたヒット!

「んんっ!結構引いた・・何?これも良い魚?(-_-)」
「そう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(^◇^;)」


以外に冷静な彼に言葉が出ない。
その後、風が強くなり撤収する事になる。外海部隊は全滅だった・・・

帰る途中、昼飯をみんなで食べようとドライブインへ寄る事になった。

「Kさんだけ、一人大漁だね~」

そう冷やかしながら、みんなで中に入ろうと
した時、台風の影響か、もの凄い突風に見舞われた・・・その瞬間!

「あっ!・・・ (゜O゜;)」

K氏の掛けていた眼鏡が吹き飛ばされ、国道まで転がってしまったのだ。
K氏は慌てて追いかけて拾い上げるが、少々破損してしまったようだ。
その後、メンバー一同、喜んで良いやら悲しんで良いやら・・・複雑な心境。

これで楽しいイメージの釣りが台無しになり、この事が結構後に引いたのか
彼はその後、二度と竿を握る事はなかった・・・

(2000/3/20 メルマガ記事)

   


Posted by 黒研 at 16:05Comments(0)過去記事

2005年10月02日

海難事故

某釣りクラブの磯釣り大会に参加してた時の出来事。

釣り自体は、あいにくの大荒れで磯場には立つ事が出来ず、防波堤での釣りとなり、殆 どアタリはなく、残念ながら入賞は出来ませんでした。今後の大会でまた、頑張りたいと思います。

大会の途中で事件が起きました。午後6時くらいにメンバーが一端、集合して米子漁港の海浜公園で一杯やっていたのです。辺りはすっかり暗くな り、吹きつける強風でかなり寒い中、日本酒で胃袋を暖めていました。
「釣ってきた?」「小さいの2枚!」などとお互いの釣果を確認しながら、楽しい時 間が始まったのです。

30分くらいたったころでしょうか。「オ~イ~・・・・・オ~イ~」と港の奥の方から、何やら声がします。
最初 に気付いた私ともう一人の人と「何だろの・・・?」「誰があ、落ぢだんね~。」「うそや~!」
慌てて我々は駆け寄って見るとライトの光が港内の海に漂って いるのが見えます。
クーラーも流れています。一同、騒然となりました。
車のライトで照らすもの。近くの工事現場の人に警察に連絡する人。
私は車に 戻り、ロープとライトを持って、他の人と対岸の防波堤に走りましたが、海の上に見えるライトは、既にかなり流されて、もう為すすべはありません。それどころか、後方を振り返ると波が防波堤を乗り上げて落ちてきます。
「やっべ~戻ろ!戻ろ!」その瞬間、前方の防波堤にも乗り上げてくるのが見え、我々は慌てて引き返しました。

声の主の姿は確認出来ず、それどころか「」すらもう聞こえてきません。
我々は最悪の状況を想像しました。 警察、消防車、救急車がぞくぞくやってきます。
状況を説明したり、各自の車を確認されたり、もう飲み会どころではありません。
実はメンバーの中に二人、 その防波堤で釣りをしていたのですが、暗くなってきたのとやはり波が防波堤を乗り上げてきたのを見て、早々と切り上げてきたらしいのです。
その時には、まだ防波堤の先端に二人、釣りをしている方がいたらしいのですが・・・一歩間違えれば我々のメンバーも同じ結果になったかも知れません。

捜索を警察や消防団に任せて、とりあえず我々は海浜公園での飲みを再開したのですが、とんでもない事件が酒の肴になってしまいました。

捜索は一晩中続きました。その後の状況はニュースや新聞に記載なるかもしれません。
(追記:次の日、港の一番奥に沈んでいる遺体が発見されました。遺族の方々には心からお悔やみ申し上げます。)

改めて、海の恐ろしさを実感致しました。

ここで私から提言です。

ひとつ、防波堤でもライフジャケットを着用する事。
ひとつ、海に落ちたら「オ~イ!」ではなく「助けて!」と叫ぶ事。


11月に入ると寒クロシーズン突入です。みなさんも今後の釣りでは厳重な装備して、危険な場所には立たず、危険と感じた場合は蒼々と非難するか切り上げる事をして下さい。

命あっての楽しい釣りですから・・・

(1999/10/18 メルマガ記事)

   


Posted by 黒研 at 00:56Comments(0)過去記事

2005年10月09日

アドバイス

ビギナーの方から仕掛けや釣法等の問い合わせが良くあります。
今回はどんなマニュアル本にも載ってないちょっとしたアドバイス・・・

● 防波堤での釣りで、通りすがりの人に良く言われる決まり文句。

  「釣れますか?・・・(^^ )」

  この場合、釣れていても釣れてなくてもこう答える・・・

  「今、やったばかりです・・・ギーーー (;`ー´)o/ ̄ ̄ ̄ ̄~ >°))))彡」

  ※釣った魚は相手が希望または覗き込むまで見せない事。またギャラリーが
   いる場合はなるべく釣る努力をする


● 隣の人の仕掛けに自分の仕掛けがグチャグチャに絡まってしまった場合。

  「ああ・・すいません・・・チョキ!(-_- )」

  ※あまり動揺せず、平然とした顔つきで迷うことなく自分のラインを切る。
   その後、5分以内に仕掛けを作り、竿を出す・・・ように努力をする。


● 隣りで釣っていた釣り人が帰る際にゴミをそのままにしていった場合。

  「すいませぇ~ん!忘れ物です!( -.-)ノ」

  その人が戻ってきて、ムッとした顔をしたら・・・

  「私が持ち帰りましょうか?・・・(-_☆)キラリ」

  ※釣り場にゴミを捨てるものは「釣る資格無し!」という事をアピールする。

● 磯場でスパイクブーツもはかず、やっぱり海に落ちてしまった場合。

  「・・・た、助けて~!ゴボゴボ・・・ヽ(´_`)/」

  ※迷わず死ぬしかありません・・・出来れば成仏して下さい。


さて、参考になりましたでしょうか。これから、寒さも厳しくなり寒クロシーズン
突入しますが、釣行の際にはそれなりの装備でお願いします。
命あっての楽しい釣り。貴方の釣果を期待しております。
(2001/11/12  メルマガ記事)

   


Posted by 黒研 at 00:08Comments(0)過去記事

2005年10月13日

奈っちゃん釣り

釣りに生きがいを感じている私は、毎週のように出かけて行く。
しかしながら土曜日に妻が仕事の時はそうはいかない。
そう娘と一緒なのだ。絶好の日和で、どうしても我慢が出来ず、娘を連れて釣りに行ってしまったのが、まだ二歳のころ。もちろん、危険な磯場ではなく防波堤にだが、まだ幼い為、見学だけの退屈な時間だったに違いない。毎年それが繰り返され、娘も大きくなって、竿もしっかりと握れるようになった。

年長組の奈っちゃん」は、見ているだけでは当然、気持ちは治まらず、「奈っちゃんも釣る!」となる。
誰にでも釣れる完璧な仕掛けを施した六尺竿を渡す。餌の付け方も一応教える。投入開始・・・

 ビギナーに共通して言えるのが、見える魚を釣ろうとする。もちろん娘も例外ではない。
アジ子やクロコ(メジナの幼魚)が沢山泳いでいる所に行っては、竿を出す。しかし、アタリはあるものの、合わせのタイミングが分からない為、餌ばかり取られてしまう。見かねた私は、娘の手を取り、
「ほら!ググッって来たら竿上げれ・・・」と教える。穂先にアタリがあるたびに合わせるように竿を上げる娘に、最初の魚が釣れたのは、教えてから餌を付け替える事5回目の時。アジ子だった。要領が大分、分かったのだろうか、野生の勘なのだろうか、竿を上げるタイミングに微妙に変化が現れる。最初は、アタリがあると、ただ上げていたのだが、餌が見えなくなったら上げるようになってきた。つまり魚が餌を咥えるまで「待つ」ようになったのである。

それから十分位たったころだろうか、後ろに止めてあった車に食料を取りに行く途中で振り返り、娘を見ると、竿が大きくしなっている。「あん!もしかして・・・」次の瞬間、銀色の魚が防波堤の上を飛び跳ねる。
釣った魚はシノコダイ(黒鯛の幼魚)だった。
「キャッキャ!」とはしゃぐ娘に、釣り師の素質を感じる。それからと言うもの、偶々同席していた釣友が、仲間内でその事を話し、防波堤の小物釣りで、魚を見て釣る釣法を「奈っちゃん釣り」と称して、一時期大流行となった。
6歳にして流行の先端を行く娘となったのである(笑)

 女優としても大役を果たした奈っちゃん。クリスマス会でのマリア様の役は、アカデミー賞ものだった。
台詞の一言一言が、将来の芸能界へのデビューを期待させた。
歌のシーンになって、その期待が脆くも崩れ去る。声を張り上げて賛美歌を歌う娘を見ながら、ちょっとした不安が過ぎる。

「もしかして・・・奈っちゃんは音痴!?」

まあ、それでも良いか・・・少なくとも女流釣り師にはなれるのだから・・・

(保育園保護者文集「あゆみ」より )

   


Posted by 黒研 at 01:21Comments(0)過去記事

2005年11月10日

シノコダイ

 結局、梅雨も明けないまま秋になってしまった。やはり異常気象なのだろうか。
先日、由良港内でシノコダイ(黒鯛当才)釣りをした。サイズ的には約5寸ほど、9月初旬にしては成長が早いように思う。シノコダイは一雨ごとに成長すると言われている。長雨が続いたせいで、餌も豊富にあるのだろうか。
私はこの時期になると釣り自体をするだけではなく、庄内一円の各港内のシノコダイの存在を確認しに見てまわる。北は酒田北港から南は鼠ヶ関漁港まで。先日は堅苔沢波渡崎漁港と鼠ヶ関漁港を見てきた。
心配な事に両漁港ともシノコダイはいる事はいるが、その存在を確認出来たのはごく僅かだった。クロコ(メジナ当才)は数多くいるのだが・・・

幸いな事に由良港だけはシノコダイで大賑わいである。早く大きくなり庄内一円魚影が濃くなる事を願う反面、これを釣りたくなる衝動にも駆られてしまう。釣れてしまえば当然リリースサイズのこの魚、しかし庄内にはシノコダイ専門の釣り師もいる。

 庄内が江戸時代から黒鯛釣りを奨励した事は既にみなさんもご存じだとは思うが、その釣り文化は庄内全土がまったく一緒という訳ではない。
基本的に「庄内釣り」自体のスタイルは同じだが、その気質は各方面で違ってくる。春磯の黒鯛は釣らないという気質がある

反面、「シノコダイ釣り」という釣りも立派に存在するのだ。黒鯛以外は全て外道の庄内において、シノコダイ釣りは磯場に行けない子供やお年寄りの老釣り師などの楽しみでもある。それ故に、たとえ幼魚と言えどその釣り文化は発展し、シノコダイ専用竿や技法などが存在するのだ。
よって地元でこの釣りをしていて「そんな雑魚釣って!」などと蔑まされた事は殆どない。お年寄りの釣り師には「結構、釣れたの~!」と感心される反面、最近では逆に若い世代のウキフカセでの黒鯛釣りを始めた人から「そんな小さい黒鯛釣って楽しいの?」と馬鹿にされる事の方が多くなってきた。これはまあ、庄内に住んでいながら、そういう文化があると言う事を知らない世代なのだから致し方ないのだが・・・いざ実際、この釣りをやらせてみれば、以外と難しい釣りだという事に気付くはずである。

 私も小学生のころから、この釣りをやっていた。60歳以上の老人と肩を並べて、よく競い合ったものである。



こんなエピソードがある。

小学の同級生の友人が、防波堤の外海でアオコや尺サイズの海タナゴを釣ってギャーギャー騒いでいるのに、私は黙々と内湾で、シノコダイ釣りをしていた。
その様子を見ていた同じ場所で釣りをしていた老人とお祭りになり、仕掛けをほどいてもらっている時に
おめはタナゴ釣らねなが(おまえは海タナゴを釣らないのか)」とポツリと聞かれ、
私は「スノゴデェ(シノコダイ)の方がいい・・・」と一言答えた。
私の純粋な?目を見て何かを感じ取ったのだろうか、また一言、私の使っていた針を見て

この針は誰から聞いて使ったな?

と聞かれた。その頃からシノコダイ専用針(イサダ針6号)を使っていた私は
親父から・・・」と答えると
んだが(そうか)・・・これはいい針だぞ!
と言って微笑んでくれた事を記憶している。

また、こんな事もあった。同様に由良港内でシノコダイ釣りをしていた。その日は喰いが悪く、ようやく釣った魚をバケツに海水を入れ5匹ほど泳がしていると、3人の大人の釣り人が帰る様子だった。
その内一人が私のバケツを見て「オッ!スノゴデェだ・・・」と足を止め、仲間の人と何やらボソボソ話しをした後、私にこう言った。

あんちゃん、こりとそのスノゴデェ、とっ変えてくんねえ~(坊や、これとそのシノコダイを取り替えてくれないかな)

差し出されたのは何と濡れた新聞紙に包まれた川エビ。私は直ぐさま「良いよ!全部いいよ!」と交換したのである。幼い私はその時は何でなのか訳も分からずにいたが、今思えば丁度その時、釣り大会でもあったのか、多分オケラだったのであろう、ポイントの高い黒鯛の幼魚シノコダイを持っていけば幾らか格好がついたのではなかろうか。何もそこまでしなくてもねえ~小学生相手に。

その後、私は頂いた川エビで爆釣したのは言うまでもないが・・・

(98/09/09  HP内記事「今月の独り言」より)


   


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2005年11月11日

釣りバカ日誌

「庄内釣り?庄内竿・・・ああ、あの釣りバカ日誌に載っていた・・・」というような内容のメールや全国の黒鯛関連のホームページを出している人のリンク紹介など、「釣りバカ日誌」はかなり「庄内釣り」を全国に宣伝して頂いたようである。

私も、浜ちゃんが庄内に赴任(左遷?)してきた事は知っていたが、通して読んだことがなかったので、思わず単行本を買って読んでみた。(「釣りバカ日誌・42刊のクロダイの巻から44刊まで)

いきなり、登場したのが由良海岸。浜ちゃんが「庄内建設」へ赴任そうそう訪れたのが、私の地元の由良と分かり、思わず笑ってしまったのだが、話しの内容からすると丁度今頃の時期に、赴任してきたのが分かる。庄内の冬場(1月中旬から3月まで)の日本海は大荒れの日が続き、水温も低下し、殆ど釣りにならない。

釣りを見下す土地柄と勘違いした浜ちゃん。実は「釣り人にあらずば人にあらず」と言うくらい釣りの盛んな土地柄と知って大喜び。

クロダイ以外は全て外道の庄内。釣具店のみならず会社や商店街でも釣り大会を開き、小学校の遠足でも釣りに行くくらいの、「釣りバカ」地方。そう、浜ちゃんにとって、まさに天国である。(私にも天国です!)

ただ、読んでいて全国の人に誤解されそうな事が2点ほどあった。
一つは、作者が意図的にそうしたのか分からないが、浜ちゃんが赴任したのが山形県の「庄内市」とある。庄内と言うのは地方名であり、都市名ではない。おそらく「庄内市」は「鶴岡市」がモデルになっているのだろう。(ちなみに山形県は月山を境に庄内地方と内陸地方に二分される)
それからもう一つ、話しの中に堅苔沢の波渡崎漁港が登場し、渡船して留悼庵(りゅうとうあん)島、通称「四ッ島」に釣りに行くシーンが多いが、地元の人がわざわざ渡船して、しかも春磯のノッコミ期に「四ッ島」に釣りに行く人は、まずいない。確かに、庄内で一番早くノッコミが始まる所で有名だが、地元の釣り師は地磯で十分釣れる場所を知っているため、渡船する必要性がないのと、春の黒鯛は釣らないという「おけさ会」のような釣り師が多いためである。渡船する人は主に山形県の内陸地方の人や秋田県、宮城県といった他県の人が多いのである。

これもおそらく、取材で連れて行かれた所が「四ッ島」だったのではないだろうか?
一番初めに由良海岸に来たのなら、「白山島」へでも来ればいいのにね~。

まあ、何はともあれ、それ以外は全部事実みたい・・・・でも、庄内竿を持つとシャッキ!とするボケ老人もいませんよ~。

(98/02/22 HP内記事「今月の独り言」より)

   


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2005年11月12日

ウキフカセとの出会い

私がウキフカセ釣りをするようになってから今年で11年になる。それまでは純粋な「庄内釣り」を行っていた。
始めるようになったのは、小岩川「田尻岩」でのある出来事がきっかけだった。11年前、この年の秋磯は、黒鯛の渡りが入った年で、庄内磯は大賑わいだった。この年の11月末に、田尻岩に釣りをしにきたところ、既に3人ぐらいポツポツと立っている。
私はその、右隣で庄内釣りをしながら、その3人の内の一人が妙に気になった。簡単に言うとカッコ良かった。如何にも釣り師という姿、それも現代風の。そう言えば宮城ナンバーの車が止まっていたので「他県の人か~」と思いながら、チラチラと見ていたが、もう一つ気になる点があった。釣り竿と仕掛けである。竿は外通しだった。それに道糸には楕円型のウキが付いている。

「庄内釣り」しか知らない私にとって、それはそれは興味深いものだった。そうこうしていると、その人の竿が大きくしなり、1尺2,3寸の黒鯛が掛かった。「やるもんだの~」そう思っていると、今度はその人はバケツに入った何やら茶色いものを、黒い柄杓でパッパっと撒いている。いわゆる撒き餌なのだが、当時私は撒き餌も使わなかったし、ましてや、人工配合の撒き餌がある事すら知らなかった。10分もたたない内にその人に2枚目がヒット。またヒット。立て続けに3枚釣り上げたのである。

私が何か言いたそうに見ていた為だろうか、その人が「撒き餌を撒かないと駄目だよ。」と一言。結局、私には1枚も掛からず悔しさを胸に家に帰ってから「果たして撒き餌だけの違いだったのだろうか?」と考えたが、やはり根本的な仕掛けの違いなのだろうと考え、
「よし、外通しを買おう!ウキはどんなだっけ?」
と直ぐさま釣具店に走ったのである。
中通しではポイントに限界があるが、外通しでウキを付ければ遠投が出来る。確かに釣れる可能性は高い。今になれば、実はウキフカセの利点はそれだけではないのだが、そのときはただ遠くに飛ばせればいいやという単純な発想だった。だからウキも今では殆ど使わない、2号という超ビッグな円錐ウキを買ったのである。竿は半分カーボンの7000円位の一応黒鯛用の竿。

翌週、買ったばかりの竿と、本屋で立ち読みで覚えた円錐ウキの仕掛けで、再度田尻岩に出かけた。撒き餌用のオキアミも買ったが、「チヌパワー」等の人工配合の撒き餌までは、当時の私には高級すぎて手が出ず、山から取ってきた赤土を代用した。

今では考えられない話である。にわか仕込みのサルまねウキフカセだったが、釣れる釣れる!その日なんと5枚しかもイナダ1本のおまけ付き。釣れる年だったとは言え、その釣果に自分でも興奮したのを覚えている。

この日以来、色々なウキを試すようになり、「遠矢ウキ」のような自立式棒ウキや、水中ウキも使うようになり、現在に至っている。

ただ最近、釣具店に売られている各釣りプロブランドのウキが、庄内の磯に果たしてマッチしているのか疑問に思うようになった。

この事に関しては次回、記述する事にする。

(97/12 「今月の独り言」より)

   


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2005年11月13日

厳寒の釣り餌

 冬の日本海を一言で言えば、マリンブルーならぬダークグリーンの世界。激しく打ち返す波は「波の華」を咲かせ釣り師の行く手を拒んでしまう。

 山形県の日本海側に面する庄内地方。この地帯は豪雪と言うよりは、風雪地帯と呼んだ方が分かり易い。「地吹雪」と称し降り積もった雪が、強風に煽られ視界ゼロの状態を作る。つまり雪が下から降ってくるのだ。 1月下旬から2月中旬までがそう言った時期となり、おのずと黒鯛釣りは、シーズンオフとなる。よって庄内での冬の釣りは、12月初旬から1月中旬までと言う事になり、この時期の黒鯛釣りを「寒クロ釣り」と、呼んでいる。

 幾度と無く、紹介されてきた庄内の黒鯛釣り。後存知の通り江戸時代から奨励された歴史ある釣り。よって釣りに対する思いが、自然と極普通の生活に、溢れ出している。そう言う意味では、全国的に見れば、珍しい地方とも言える。分かりやすく言えば、「釣りに行く・・・」と一言いえば、冬の寒い日でも条件さえ良ければ、家族総出で見送るような土地柄なのだ。見送られたら何が何でも釣らねばならぬ。いざ寒クロ勝負!

 餌は、やはりオキアミが主流の時代。春から秋にかけては、当日に購入しても、そこそこ使えるのだが、冬場はそうは行かない。とは言っても、ウワサにあるクーラーをウォーマー代わりに使うほど、いきなり凍り付くほど氷点下での釣りは行わないのだが・・・。

 正月休み中で、思いのほか、天候が良かったので初釣りと称して釣りに出かけた。オキアミは当日購入したもので、釣り場で溶かそうと思い、バッカンに海水を3分の1ほど入れて、そこにオキアミブロック3キロを入れて、しばし撒き餌無しで釣りをしていたのだが、そろそろ溶けたかなと思い、見てみると海水をたっぷり吸い取ったまま、そのまま凍り付いていた。仕方無しに、そのままバッカンに足を突っ込んで、スパイクブーツでガンガン踏ん付けて砕く羽目になる。
 当然、前日から購入して自然解凍しておくのが良いのだが、車中にそのまましておいても、気温が2,3度程度、場合によってはマイナス気温もあるのでオキアミブロックはコチコチのまま。よってバッカン等に入れて玄関先等の室内に置くのが、極普通なのだが、私の場合はそれでも安心出来ないので一端、熱湯に2,3分ほど浸ける。その時はオキアミに直接ではなくビニール袋ごと浸ける。そうしないと、ボイル状のオキアミが出来てしまうからだ。もちろん長時間お湯に浸けて置いても同様である。
 オキアミはなるべく水に浸さないようにする。撒き餌のみで使用する場合は別だが付け餌にもする場合は、長時間水に浸かったオキアミだとベチャベチャで針掛かりが悪くなるからだ。

 出来れば自然解凍したい。そんな思いで、以前、バッカンごと炬燵の中に一晩入れておいた事がある。これは失敗だった。程良く解凍どころか、完璧に溶けきってたようで、それだけならまだしも朝方、足を突っ込んだ母親が、そのバッカンをひっくり返してしまったのだ。一冬オキアミ臭い炬燵に悩まされるはめになってしまった。

 付け餌で使用するオキアミも以前は、生オキアミのパックや大粒のみ選別された発布スチロールのケースに入っている餌を購入していたのだが、これも購入直後だと、解凍するまで時間が掛かり、待ちきれずオキアミを1尾づつ削って使っていたのだが、下手をするとオキアミの頭が取れてしまう場合があり、結構苦労したものだ。
 しかし、「凍らない餌」の登場で状況は一変した。人工的な処置がしてあって、凍らない腐らないオキアミの餌が今ではすっかり付け餌の定番になりつつある。冬場に限らず夏場でも日持ちが良い為、ブロック以外でも必ず1パックは購入するようにしている。さらに改良して頂き、オキアミの発光体も継続して頂ければ、尚良いのだが・・・。

 最近の人工餌に練り餌系のものもあるが、水温が低下し、餌取りも殆ど居なくなった活性の低い状態では、その餌を使う理由が無い為、いくら冬場に使い易いと言っても、釣れる可能性の低いものをわざわざ購入する必要性は全くない。

 冬の日本海の黒鯛が主食にしている一つに「岩海苔」がある事をご存じだろうか。50センチ級の年無しサイズでも、岩から剥がれた海苔を喰いにかなり岸辺まで寄ってくる。庄内では海苔付きの岩やコンクリート岩があるポイントで、棚も1ヒロから2ヒロ位の所が冬の寒クロ釣りの名所とされている。そこは春磯や秋磯でも、殆ど誰も立たないような浅瀬で大荒れした日に限らず、海苔詰みのおばちゃんと供に、地元の釣り師だけが通う、穴場と言っても過言ではない。よって餌にもオキアミに岩海苔を絡めて釣る事が秘訣とされているが、私の知人の話しでは、撒き餌に集魚材とオキアミだけではなく、さすがに岩海苔はもったいないと言って、焼きそば等に振りかける「青海苔」をたっぷり入れるとか・・・。以外と効果大?

 庄内の冬の黒鯛釣りで、忘れてならないのが「渚釣り」である。今ではすっかり全国に知れ渡った釣りではあるが、発祥はこの庄内である。冬の磯場や防波堤と違って、海に落ちる危険性もなく(流される可能性はありますが・・・)掛かったら、そのまま砂浜まで引きずって行けば良い為、タモ網も不要。取り込み時の不安定な状態もなく正に冬の釣りに適しているのだ。この釣りもやはり餌はオキアミを使うのだが、膝上、場合によっては腰まで海に入って釣るスタイルの為、撒き餌は腰に付けた魚籠や大きめの餌箱に入れたオキアミをパラパラ撒く方法を取る。人によってはバッカンに入れた集魚材を、岸辺から撒いてから釣る場合もあるようだが、ベテランの人に言わせると「オキアミだけで十分」だそ
うだ。
 この釣りの大胆な撒き方の一つに凍り付いたオキアミブロックごと、波打ち際の砂の中に半分埋めて、少しづつ、足で砕いて「ハケ」に乗せるやり方がある。この場合は、コチコチに凍り付いた方が、都合が良い。溶け過ぎていると一気に流れてしまうからだ。
 釣った黒鯛はそのままビニール袋やバッカンに入れて放置しても冬なので半日位は大丈夫。
 この渚釣りは佐渡でも実績があり、ここでは3キロブロックを波打ち際で一気に足で砕いて流してから、30分ほど待つ。その後、釣りをして1時間しても釣れないようだと魚はいないと諦めて場所移動する。魚がいれば爆釣間違いなし。

 最近、ホームページを通してビギナーはもちろん、県内外の幅広い方から、釣法やポイント等の指導依頼が結構ありますがまず冬場の釣りは、普段の数倍も危険性を伴うんだという事を認識してほしいと思う。釣行の際は、餌はもちろん、装備や道具類も、しっかりしたものを必要とするのは日本全国共通ではないだろうか。

 「命あっての楽しい釣り」これが私のモットーです。

(「2002年度版 ちぬ倶楽部2月号 週刊釣りサンデー出版」 掲載記事)

   


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2005年11月17日

懐かしき論文

 このホームページを作成するにあたり、昔の資料を整理していたら、高校の時に書いた卒業論文「郷土沿岸と磯釣り」が出てきた。
論文の内容は、地元「由良」の釣り場のポイントと釣れる魚種の紹介、自分の釣り体験を交え、最後に魚拓のサンプルのおまけ付きといったものだ。確かこれは3日間徹夜して書いたもの(提出しないと卒業出来なかった!)だったが、今一度、読んでみて、懐かしさと浅はかさが感じ取られ、「う~ん、若い若い!」と思いながら一人でニヤニヤしていた。

ところが、論文の最後の「あとがき」を読むと、10年以上前の自分の考えと、今の自分の考えが少しも変わっていない事に、気がついた。そしてこれは、これからもずっと変わらないんだろうな、とそう思った。

 

<高校の卒業論文「郷土沿岸の磯釣り」から>




(1998年 「今月の独り言」より)
   


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