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2005年09月02日

シノコダイ釣り

 例年になく各港内でシノコダイが好調との事。シノコダイが多いと言う事は、それを産んだ親も多いと言う事になるが、春磯の乱釣で数が減ったのではないかという庄内人の不安は、とりあえず取り除かれたようである。

 私はシノコダイ釣りも行う。仲間の釣り師達に「ダメだよ!釣っちゃあ!」と良く言われるが、大物釣りにない繊細な釣りの魅力には勝てず、また幼少から長年やってきた恒例行事のようにこの時期になると、思わず竿を出してしまうのである。幼少と言ってもシノコダイを専門に狙うようになったのは小学3,4年生からだが、ようは私は「シノコダイ釣り師」からのスタートと言う事になる。毎年、毎年20年以上やっている訳だ。

 私の師匠は父である。家には何本もの釣り大会のトロフィーがあった。その父に釣りの基礎を教えられ、シノコダイの釣り方を教わった。小学生の私は、親の影響もあり、それ以来すっかり夢中になり、以前、この場でも話したが、老釣り師も一目おく立派なシノコダイ釣り師となったのである(^^;)。

 父とは、訳あって離れて暮らしているが、親戚の法事で集まった際に久しぶりに親子で釣りをする事になった。弟も一緒である。父は釣りをするのは久しぶりと言う事で、私の一番お気に入りの「シノコ鯛七尺」という先の細い中通しのシノコダイ専用竿を使わせる。「これは良い竿だ・・・本当に良い竿だ。」この言葉をしきりと連発しながら一人ヒタヒタと釣りまくる。私は昔使っていた1.8mの短竿を使ったが、穂先が硬く、しかも道糸が古く糸よれがきつく、アタリが取りにくく、ようはなかなか釣れないでいた。苦戦している私を見て、父が「お前はいつも釣っているのだから、それはハンデだ!この竿は今日は一日使わせてもらう。」と笑顔で話す。余程、「シノコ鯛七尺」竿が気に入ったらしい。

 この日は、上層にいるシノコダイはチラチラと見えるものの一向に喰ってこない。潮が枯れているせいもあるのだが、型の良くなったシノコダイは頭も良くなり、次第に底の方へ移動する。よって通常のコマセ(山砂にコアミなど)を撒き、ウキを付けての1ヒロ2ヒロの棚での釣りでは、なかなか釣果につながらない。周りにいる殆どの釣り客はこの釣法で行っており、釣果も今ひとつの様だ。そんな中、私達3人はコンスタントに釣っているものだから、ギャラリーが出来てくる。
 我々の釣法は明らかに他の人とは違っていた。と言っても単に底を狙って釣っているのだが・・・ポイントが2つあった。一つはコマセである。「オカラダンゴ:マルキュー」にコアミを混ぜて硬く握り、際近くに落とす。つまり底に寄せているのである。エサを包まないだけで、ようは団子釣りと一緒な訳だ。ただこれは欠点がある。ボラも寄せてしまうのだ。事実、私も父も3回ほど掛けてしまった。ハリス0.6号では60センチ級は上がらない。切れるのを待つだけである。もう一つのポイントは完全フカセである事。庄内釣りの原点である。父曰く「こんな日は、ラインを弛ませて遊ばせた方がいいなや。」底べったりに沈ませたエサを、たまにしゃくったり、ゆっくり引き上げたりして誘いを掛ける。浮かせてのウキ釣りにすると、殆ど誘いをしないため、喰いが渋い今日のような日には向かないのである。誘いまでは誰でも出来るが、問題はアワセである。弟はこのアワセが上手く出来ず、最終的に2匹で終わっている。穂先がしなるようなアタリは比較的簡単に反応出来るが、実はそれではアワセが遅い場合が多い。弛ませていたラインが伸びてきたり、またその逆に弛んだりした瞬間にアワセを行うのだ。クロダイは結構喰い上げる為、穂先に反応しない場合が多い。それを知らない人は、アワセのタイミングが分からず、エサだけが無くなる。つまり我々はラインの動きを見て釣っていたのである。

 昔の勘を取り戻した父は、最強の竿も手伝って、爆釣している。型の良いシノコダイはリールをギーギー言わせ、底から浮いてくるまでの間を十分楽しませてくれる。父の顔から笑顔が絶える事は最後までなかった。

シノコダイ釣り

 ただ残念な事が一つだけあった。私たちが釣りをしているとある地元の漁師さんが来て、こう言った。「あんたらさは困ったもんだ!」最初、あんまり釣るなと怒っているのかと思ったらそうではないらしい。「コマセの汚いものや、ゴミは捨てて行くし・・・俺だみんな片づけんなんぜ!見っちゃあそこ!」と、指を指した所に確かにゴミが山積みになっている。それは明らかに、誰かが袋ごと置いていった物であった。つまり我々は、そういったマナーの無い釣り客の代表にさせられて怒られたのである。当然、私はゴミを捨てていった事は一度も無いが、父が「うちらのは全部持って行くから・・・」と一言、言った時に、私は無性に切ない気持ちになった。折角の親子での楽しい釣りが、一部のマナーのない釣り客の性で、水を差されたのである。その漁師さんはすぐ立ち去ったので、事なきを得たが、この問題は永遠のテーマなのだろうか・・・

 家に戻り、40匹強の釣果に満足している父と祝杯を挙げる。今日は釣りをしていて良かったと強く感じた日であった。秋磯が深まり、磯場でも釣れているとの事。そろそろ尺以上も狙いますか・・・

<1999/09/18 記載記事>


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